先日、お向かいの家がなくなった
お向かいの、家が、なくなった
お向かいはお爺さんとお婆さんの二人暮しで
ぼくがガキのじぶんからお向かいだったわけで
特に親しくしていたわけでもないが、邪険にしたわけでもない(大雪が降った日はついでにお向かいの雪もはねたりもした)
だが、2年ほど前にお婆さんが亡くなって
一人暮らしだったお爺さんも病院に入院したりしていて
そんなこんなで先日
朝起きると、家の目の前に馬鹿でかい重機が待ち構えていた
そして、夕方帰ってきたらお向かいの家はきれいさっぱりなくなっていた
なんともいえない気持ちだったその夜
夢を見た
お向かいの家が
あった
なんだか土台がずれていたけど、確かにあった
ぼくが「い、家ーッ!生きていたのか!」と言うと、
家は「ああ、土台がずれたけどなんともないぜ」と爽やかに返してくれた
次の日目覚めて
お向かいを見たけど
何も無い更地だった